【IT担当必見】美容室でITシステムを導入する際に注意すべきこと

近年のIT技術の発展により、あらゆる箇所にテクノロジーが浸透し始めました。人工知能・AIや自動運転、VR・ARなど最先端の技術領域から、POSを始めとする顧客データの管理や電子カルテなど美容室でもすぐに活用できるシステムが多数存在します。

iPadでの経営管理

新規出店のタイミングやお店が盛り上がって既存の業務では無駄が多くなり、ITシステムの導入を検討される日が来ると思います。

今回はITシステムを導入する際に、どのような注意点があるのか、どのようなことを検討すれば良いのかについての記事になります。

ITシステムを導入する目的は何か?

当たり前のことすぎるだろ!とツッコミが入るかもしれませんが、これは非常に重要なことです。よくある事例では「AI・人工知能を使って〜」など、技術そのものをアピールしているものの、目的そのものが欠如している場合があります。

例えばですが、AIを使って何をやりたいのか。そのAI技術は一体何をしてくれるもので、どのように現在の業務が変化(効率化・高付加価値化)するのでしょうか?(技術を前面に出して見ることで、「面白いでしょ」という関わり方をするのも1つのやり方だとは思いますが今回は割愛)。

システムそのものは全ての問題を解決してくれる魔法ではありません。あくまでも課題解決の手段にすぎないものです。システムに使われるのでなく、システムを使いこなすことが必要です

システムを上手に活用する
システムは使いこなすもので、使われてはいけません!!!

システムの得意なこととは?

ITシステムは単純な作業や繰り返し作業と相性が良く、人間はそれとは相性が悪いです。システムを使いこなすにあたっては、人間がやるべきことシステムにやらせるべきことを切り分けていくことが大事になります。

システム導入を考えているということは、何か現在のサロンワークで無駄を感じているからだと思います。そんな時は以下の2つの観点から無駄かどうかをチェックして見ると良いでしょう。
1. 何度も同じ作業を繰り返していないか
例1) お客様のカルテを探すために1日にファイルを何度も開いている

例2) 予約情報を複数の予約媒体に転記し、スタッフ用の予約台帳にも記入している

2. 複雑すぎる手順のせいでミスが発生する状態になっていないか
例) 毎晩売上伝票を全て電卓で計算して集計している

ITシステムは繰り返し作業が得意です。何度も繰り返される単純作業はシステムで自動化することで人的なミスも減らすことができます。

ここで重要なポイントは、システムを利用すると決めた際には人間の操作を極力排除することができないかを考えることです。エラーは人間の操作が原因になることが大半です。システムで自動化できることは全て自動化して、人間の操作(入力や、他システムとの連携など)を最小にすることを意識することが大事になってきます。

また、もう一つ重要なのが「大きな無駄も小さな1つの無駄の際には無視しやすい」ということです。無駄は積み重なることで大きな無駄になります。しかし、1つ1つの行動は「5秒やればできる」とか「大したことじゃない」と思われることばかりです。この「これくらい大丈夫」を徹底的に排除していくにはどうするか、を常に考えることでシステム導入にふさわしい目的を絞り込めるのです。

システムの得意なこととは何か
システムの得意なこと・不得意なことを理解して使いこなしましょう


費用計算について

システムを導入する目的が定まり始めたら、システム会社が提供しているパンフレットを取り寄せるなどして情報収集を進めましょう。

この時に、費用は長期間にわたって”合計”いくらになるのかを必ず確認しましょう。月々の支払いを低くするために、リース契約などを利用されている場合もありますが、合計の支払額でみるとそこまで安くないケースも多々あります。

自社で利用するために購入したソフトウェアの減価償却は5年間になるので、目安は5年間の合計金額で計算をします。
費用には


  1. 初期費用(設定手続き、訪問費用など)
  2. 月々のサポート費用(通信量、サポートセンターなど)
  3. 故障する頻度とその際の修理費用
などが含まれます。3は盲点になりやすいですが、システムが故障した際のサポート体制がどうなっているのか平均的にどれくらいの頻度でトラブルが発生するのかを確認することを忘れないようにしましょう。

費用以上に重要な考慮事項

お金以上に大事なこと
費用以上に重要なので、これくらい真剣に考えましょう!!!
また、費用の計算以上に必要なことがあります。それは「システムの変更・移行を行おうとした時に、どこまでサポートされているか」です。

システムを利用している中で、必ず将来のどこかのタイミングでは別のシステムへの移行を検討する日が来ます。より使いやすく、高機能で、しかも値段が安いシステムが出てきた、など理由は様々なものが考えられます。

その際に一番の障害になると言って良いのが、既存システムからのデータ移行です。
それまで積み上げてきたお客様データや売上データなど、どこまでをそのシステムが出力してくれるのか、その出力方式はどのようなものなのかを入念に確認してください。

データの出力・移行ができない場合、そのシステムの運用次第で美容室の取れる戦略が限定されてしまいます。システムに美容室の運命を部分的にでも任せることにメリットはありませんので、必ずいつでも他システムに移行できるようデータ出力のサポートを確認することをお勧めします。

データの移行形式は、csv形式などでお客様データを出力することが一般的です。出力されたcsvファイルを確認し、移行に際して移動できる情報の中身を確認しておきましょう。

機能紹介だけでなく、必ず事前に使い倒すこと

システム導入の検討段階で、もう1つ必ず行う必要がある検討事項があります。それは、カタログ情報を鵜呑みにするのではなく、必ずシステムを事前に使い倒すことです。

多くのITシステムではデモ版や無料期間など、様々の形式でシステムの使用感を確かめる方法が存在します。導入を検討をしているシステムは必ず事前にデモ版などを利用することで、実際のサロンワークでの利用感や、システムの起動速度などがサロンワークの邪魔にならないのかなどを確認する必要があります。

システム案内のパンフレットでは、そのシステムができることが膨大に書いてあることがあります。しかし、システムはできることが多ければ多いほど良いというものではなく、成し遂げたい目的を十分に達成できれば良いものです。大量の機能一覧に惑わされずに、利用できる機能の全てを確認し、それぞれの使用感や、データ更新のタイミング・頻度などを確認することで導入後のこんなはずではなかった、想像と違った、という状態を回避できるでしょう。

また、第一印象で決めないのも重要です。初めてシステムに触った時には慣れていないせいで十分に理解が進まない可能性もあります。逆に、第一印象を過剰に評価してしまう場合もあります。最初にシステムを触ってみて、その翌日、3日後など数日置いてから触り倒し、それから機能面・使いやすさの評価をしてみると良いでしょう。
システム導入したけどこんなはずじゃなかったとならないように
導入したけどこんなはずじゃなかった、とならないように...


いざ導入する際に準備するべきこと

システムの目的も整理し、費用感も問題なく、しっかりとデモ版を触って問題なさそうであれば、次に行うのが現場での導入時期とその流れを決める事です。

どんなに良いITシステム・サービスでも、必ず慣れるまでに時間がかかります。良いデザイン・設計になっていれば慣れるまでの時間は短くなりますが、使い勝手に慣れるまでの間はこれまでのやり方のほうが楽に感じるので、現場での導入が上手に進まず、混乱が生じることも多発します。

そんな時は以下の3つを意識してみてください。

  1. トップダウンで導入するということを宣言する
    必ず現場の意思決定者がシステム導入することに納得できている状態を作りましょう。現場の混乱をトップダウンに解決できる状態でないと、トップがやらないので自分もやらないという雰囲気が作られます。現場での導入がうまくいかない状態も、ほぼこれが原因と言っても過言ではありません。
  2. 移行期間を設ける
    短くて1週間、長くて2~3ヶ月の移行期間を設け、徐々に新しいシステムに移っていくことも有効です。ある日突然これまでのやり方が禁止されると混乱が発生しますが、移行期間中はどちらも同時に使う事で期間終了後にスムーズに新システムに移行できます。デメリットとしては、移行期間中の作業が重複することになります。
  3. 現場の反応を全て真摯に受け止める
    現場での声は常に優先すべきものです。当初の想定と現場での受け止められ方が乖離していた場合、それが解決できるものなのかを真摯に受け止める必要があります。仮に現場での声が解決不能な問題を提起していたのであれば、システム導入を見送るということも十分に検討すべきかと思います。

終わりに

ITシステムの導入について、最初から最後まで駆け足で記載してみましたがいかがでしたでしょうか。

改めて読んでみると、システム導入自体が非常に時間と労力のかかる作業だということがよくわかるかと思います。

しかし、システム導入をすることで得られる時間や労力の節約は大きく、無駄なことをスタッフにさせていない美容室という信頼も勝ち得ることができるでしょう。小さな無駄を徹底的に排除していくためにも、効果的にITシステムを活用してみてください!

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