【美容室経営】美容室でのデータ分析

タブレット型POSや電子カルテなどの登場から、美容室でもITシステムを用いたデータ活用が進んで来ました。まだまだ主流は紙であるという調査も存在しますが、今後は徐々に電子化されたデータをうまく扱えるかが美容室の戦略の中でも重要になってくると思います。今回はそんなデータ活用に関しての記事になります。

データを分析している画像

データ分析の目的

日々のサロンワークから、大量のデータが集まっていると思います。売上データ、お客様データ、スタッフデータetc...データ分析の手法も「RFM分析」や「VIP分析」などパッと見意味がわかりそうなものから非常に難しそうなものまで多くの手法が存在します。

しかし、データ分析で最も重要なことと断言しても過言でもないのが、このようなデータの種類や分析の手法に囚われないことです。データ分析は手段からスタートするものではありません。手段に囚われてしまうと、なんとなく分析ができている錯覚を持ったり、仕事ができている感覚だけを持つことになりますが、これは百害あって一利なしです。

データ分析はまず最初にその目的を定めてから考える必要があります。なぜデータ分析を行うのでしょうか?

データ分析の反対にあるのが経験・直感です。こう考えると理解しやすいですが、データ分析は意思決定の補助が目的です。データを活用して意思決定をするのか、これまでの経験と直感を信じて意思決定をするのか。

直感に頼らない、データを元にした意思決定が重要なのは人間の感覚・記憶は意外と精度が悪いという事実があるからです。データ分析を十分に利用するためにはこの事実を受け入れることがとても重要になります。

感覚的にいつもよりも売れていそう、このスタッフのリピート率が以前にも増して高くなっているなどはデータを収集して見てみると実はそうでもなかったということは多く見られる事象です。別の企業の事例ですが、ハラマキの売れ行きが感覚で評価されてしまいそうだったが、データを見てみると異なる結論がでたというものもあります。(「ハラマキ」でわかった感覚と数値の“ズレ” ほぼ日CFO篠田氏が、データ活用の重要性について語る

意思決定の補助としてのデータ活用

データの集め方

意思決定がデータ分析の目的と書きましたが、どのような意思決定を行うかは状況次第です。とても大きな粒度では「美容室の10年の経営を続ける」というものから「お客様のリピート率改善」など小さな粒度のものまで、様々な意思決定をサポートすることができます。

意思決定を行いたい内容を決めたら、次に行うのはどのようなデータがあればその判断ができるのかを考えることです。どのような情報があれば、やる・やらない、またはアクションA・アクションBのいずれかを選択できるのか。

ここで注意したいのは、集められるデータを起点に考えていないことです。どのようなデータがあれば意思決定できるのかを起点に、必要なデータが何かを考えています。これは冒頭で書きましたデータの種類や分析の手法に囚われないことでも触れられていることですが、できることがたくさんあった所でやりたいことができなければ意味がないのと同じです。

必要なデータは何か、そして自分が現在集めることのできるデータはどのようなものか、足りていないデータはあるのか(ないのか)、あった場合はどのようにそのデータを集めるのかを考えていきます。

データを集める際には様々な方法がありますが、基本的には事実の記録を積み上げていくことでデータとしての積み上げが行われていきます。予約帳や伝票、カルテなど様々な事実が日々美容室では積み上げられていきます。

データは事実の積み上げ。カルテ情報やお客様情報

データを加工する

集めたデータ1つ1つをそのまま分析するのは流石に大変すぎるので、Excel(最近ではGoogleスプレッドシートのほうが便利ですね)などの表計算ソフトを活用して活用したり、POSシステムを購入することで美容室での利用がしやすい形でのデータ管理を行ったりすることが大半ではないでしょうか?

このように、データはなんらかの形で加工して使うのが一般的です。表形式にしたり、グラフにしたりと数字の羅列で管理するよりも特徴を可視化した状態で使うほうがより使い勝手が良いです。

しかしここでも、データ分析の流れを忘れてはいけません。そのデータを利用することで、意思決定の補助ができるのかです。自分で生のデータを加工して表やグラフにしている場合は比較的問題になりにくいですが(覚えたての関数を試してみたくなり、結果大量の指標を生み出しているのはアウトです)、POSや顧客管理システムを使っている際には膨大な”それっぽい”指標が手に入れられます。しかしそれが本当に意思決定に役に立つのかはわかりません。当然活用できる指標も数多くあるでしょうが、本当に必要なものを選び出し、足りてないものを自分で補完的に作り出すことで意思決定のための正しいデータの活用が行えると言えます。

データを活用できる形に加工すること

データを活用して意思決定に活かすには

ここまでくると、必要なデータを必要なだけ収集し、加工することで意思決定に活用できる形になってきたと思います。判断するために必要な情報が集まっており(しかも見やすい形で)、足りないことや達成できていることが見えているはずです。

そして、このデータ活用の一連の流れを時間とお金のコストを最小化できるように行えるよう、システムや業務オペレーションを整えることが大事になってきます。とても綺麗なデータ分析と意思決定ができる、しかしそれには1年の準備が必要、では意味がありません!

データを業務フローの中で自動的に集約すること、そしてその整形も時間がかからない形で自動的に行えること、データの抜け漏れが発生しないような仕組み作りなど、データ分析の前段階としての業務フロー構築もとても大切な箇所となってきます。データを活用するために疲弊してしまい、結果的に意思決定に足りるだけのデータが集まらなかった、とならないように業務に自然と溶け込む形で収集・分析できるようになっているのが理想的です。

いかがでしたでしょうか?細かなデータ分析の手法や仮説想起の方法などには踏み込まずに、より上段でデータを活用する際に押さえておくべきことに集中して書いてみました。

データ分析の手法に踊らされることなく、「意思決定の補助のためのデータ分析」を意識して、日々のサロンワークにデータ分析を取り込んでいただけるきっかけとなれば幸いです!

コメント