Instagramの自動化ツールの謎に迫ってみた

美容室での集客やブランディングで現在はほぼ必須の手段として認知されているインスタグラム。以前の記事でもALBUMさんのインスタテクニックの紹介をさせていただきましたが、美容師の方でもご利用の方は多いのではないでしょうか?(【美容師向けSNS活用のコツ】美容室ALBUMから学ぶ人気インスタグラム投稿テクニック集)

しかし、みなさん一度はこのように思ったことはないでしょうか?「あれ、この人の動き怪しいな」「どうも人間ではないようなアカウントがいるぞ」「噂には聞いているけど、もしかしてこれが自動ツール?」

今回は現在のインスタグラムで大量発生している自動ツールについて、「一体どういうものなのか」「どんな目的で誰が作っているのか」「使う場合のリスクはどんなものがあるのか」などを書いていきたいと思います。

instagram

自動ツールとは何か

インスタグラムでは利用しているユーザーの投稿にいいねやコメント、フォローなどができます。Twitterなどの他のSNSとは異なり、拡散性が弱いのがインスタグラムの特徴でもありますので、他のユーザーに自分を認識させるためには相手に対して積極的にアクションを取る必要があります。そのための毎日大量のいいねやコメント、フォローを自動で行ってくれるのが自動ツールになります。

日本語で提供されている自動ツールでは例えば以下のようなものがあります。
海外のサービスも星の数ほど存在し、一般的には日本語で提供されているものよりも値段も安いことが多いです。

このようなサービスを利用すると、インスタグラムのアカウント情報とパスワードを入力し、いくつかの設定(どんなターゲットを狙うのかなど)を完了させると寝ている間もいいねやコメント、フォローをしてくれる(しかもAIも頑張る!)のような仕組みになっています。

インスタグラムでは毎日のいいね数やフォロー数を監視しており、一定の数を超えない範囲でアクション実行ができます(超えたものや怪しい動きはツールの動きと判定され警告を受けることになり、最悪アカウントの停止処分を受けます)。この限界まで自動ツールはいいねの実行などを行ってくれる(しかも実際にツールにログインなどせず自動で動作)ため、楽してアカウントを育てたいという方の利用が急増しているという状態になっています。
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簡単な自動ツールの仕組みの説明

インスタグラムは外部にAPIを公開しています(https://www.instagram.com/developer/)。APIとはシステムを使うときのルールのようなもので、このルールに則ればインスタグラムの中のデータが取得できたり、更新することが許可されるといったものです。

このAPIを利用してインスタグラム上のデータを大量に取得して分析機能を提供していたり、他のユーザーの投稿にいいねやフォローを実行していると推測されます。

また、インスタグラムのAPI提供自体が制限されることが公式に発表されています。2020年の上期あたりには基本的な機能群の利用提供が終了され、新しく用意されたGraph APIで提供されている機能のみが利用可能になります。

このAPIの仕様変更に対応した自動ツールでは、少し高度なシステム設計を行っている場合もあります。例えば、大量に仮想端末をパソコン上で起動させ、あたかもスマホ上からインスタグラムを利用しているような動きに偽装してデータ取得や更新をしているなどが推測されます。

このようなインスタグラム側のアクションと、自社での独自の設定を組み合わせて自動ツールの特徴づけをしています。

単純な指定したハッシュタグの投稿のうち1時間以内に投稿されたものにいいねをしてくれる自動ツールであれば
  1. 30分に1回など、特定の時間感覚でツールを起動
  2. 指定されたハッシュタグの投稿を最新100件取得
  3. そのうち1時間以内に投稿されたものにいいねをする
のような1~3までの手順をシステム化して自動的に処理するようにしていたりします。

AIを活用しているなどの場合は、推測にはなりますがAIの学習のために様々な条件でのデータ抽出を行って効果的なアクションになるようにシステム側で処理が行われていると思われます。

インスタグラム運営の公式見解

ここまでは自動システムがどのような仕組みで、どのようなことを実行してくれるのかを解説していました。一見するととても便利に見えますがインスタグラムの運営はどの様に認識しているでしょうか?

実は公式の見解では自動ツールの利用は規約違反になるとされています。コミュニティガイドライン(https://help.instagram.com/477434105621119/)からの引用になりますが
有意義で純粋なやり取りを促進しましょう。

「いいね!」、フォロー、シェアを人為的に集めたり、同じコメントやコンテンツを繰り返し投稿したり、利用者の同意を得ずに商業目的で繰り返し連絡したりしないでください。スパムのない環境を維持しましょう。
とある様に、自動ツールの利用はスパムとして捉えられています

また、2018年11月19日に公式にスパムへの対応強化を行うと発表がありました。(

この発表の後に大幅にフォロー数が減った、いいね数が減った美容師の方のアカウントも複数確認しています。上で述べましたAPIの提供が制限される件も自動ツールへの対応とも受け取れる面があり、今後も自動ツールへの規制は強化されるものと考えて良いでしょう。
禁止されている

おわりに

最大限にITサービスを活用しようとすると、この様な外部会社が作成した非公式ツールを利用することは十分に理解できます。しかし一方で、公式には利用が規約違反になっている場合は最悪アカウント停止や訴訟になることはリスクとして十分に認識しておく必要があります。これはインスタグラムの自動システムに限ったことではありませんが、非公式ツールの挙動がシステム提供会社への攻撃として判断されることが十分にありえます

また、最大のリスクと言っても良いのはアカウント自体が自動システム独特の挙動をすることで本当に大事にしたいお客様が離れて言ってしまうことにあると思います。異常にフォロー数が多く、フォロワー数が追いついていなかったり、無作為なコメントをつけているなど、インスタグラムに慣れ親しんだお客様であればすぐに使用を見抜かれるのは間違いありません。お客様への認知や集客に活用するために始めたにも関わらず、自動システムの利用によって見離されてしまったら本末転倒ではないでしょうか。

AIを活用していようが、自動システムを使うだけで十分にパフォーマンスが出ることは相当に考えにくいです。必ずサービス・システムを利用する目的を考えて、その中でリスクとメリットを天秤にかけて必要なものを取捨選択していくことをお勧めいたします。

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