電子カルテを採用してみた ~データ分析編~

これまで数回に渡って電子カルテを導入する準備からサロンワークでの注意点などについて書いてきました。
電子カルテを採用してみた~準備編~
電子カルテを採用してみた~現場導入編~
電子カルテを採用してみた ~サロンワークでの活用編~
今回は、電子カルテの特権でもあり、紙のカルテでは実現不可能なデータ分析について書いて行きたいと思います。
※データ分析での注意すべき箇所についてもは以前まとめたのでよければご一緒にどうぞ(【美容室経営】美容室でのデータ分析)

美容室でのデータ分析

個別のお客様分析

電子カルテで毎回の来店時の記録を残していると、個別のお客様がどのような特徴を持っているのかを把握することができます。例えばですが、以下のような活用方法が考えられます。

どのようなきっかけで来店されたお客様が固定客として残りやすいのか

ネット経由の集客媒体や自社のホームページ、口コミなどを登録して、初回来店時にお客様にヒアリングをすることで集客経路による特徴を明らかにできます。実は口コミが有料の集客媒体の3倍も固定客になりやすい、のような発見があるかもしれません。

失客の原因分析

失客には必ず原因があります。初回の来店でお客様が何かの理由で満足いかなかったために2回目以降の来店に繋がらなかったはずです。その原因を理解しない限りは、リピーターの多い経営が安定する美容室にはならないでしょう。

そのためには個別の施術履歴から何が失客の原因として考えられるかを探し出すのが有効です。どのような来店動機で、どんな髪の悩みを抱えていたお客様だったのか、事前カウンセリングではどのようなお話をして、誰がどのような仕上がりを行ったのか。1ヶ月毎などに定期的に失客してしまったであろうお客様を全て絞り込み検索で取得し、原因を振り返ってみると良いでしょう。この振り返りのためにも、必ず施術中にカルテは事細かく記載することをオススメします。カルテに情報がないと、失客の原因振り返りもできなくなってしまいます

また、失客の少ないスタッフのカルテを読んで見るのも良いでしょう。リピートされている秘訣は何なのか、どのくらいお客様について細かく理解をしているのかなど学べることは多いはずです。少しでも疑問点があったら、なぜそうしたかをカルテを見せながら質問して見ると自分自身の成長につながるはずです。

サービス、物販販売のレベルUP

単価が高いお客様と低いお客様が必ずいると思いますが、なぜその違いが生まれているのかもカルテをきっかけに考えることができます。どのようなお客様がより単価の高いメニューを好まれていて、また物販も購入されるのかをつぶさに調べていくことでスタッフ一人一人のサービス、商品提案力も高くなるはずです。

例えば特定のスタッフが特に物販販売が得意なことがわかったら、そのスタッフのカルテ情報から何か共通項目がないか調べて見るのも良いでしょう。どのようにお客様の抱えている悩みを引き出しているのか、どのような解決方法を提示しているのかなど、ヒントになる情報は豊富にあるはずです

他にも個別のカルテ情報から得られる毎日のヒントはたくさんあるはずです。隙間時間にカルテ情報から自分の反省点を振り返ったり、特に成績のいいスタッフの秘訣を探してみたりと、美容室のスタッフ全員のレベルを底上げしていくためにも電子カルテを活用することは有効です。

お客様の分析

お店の経営分析

お客様個人の分析から、個々のスタッフのレベルアップについてみてきましたが、お店の経営分析でも電子カルテは役立ちます。単純に来店人数だけを追いかけるのではない、より詳細なデータを取得することで現在の経営が安定しているものなのか、それとも実際には黄色信号の状態なのかを判断できるようになります。少し具体的にみていきましょう。

お店についている固定客の人数を把握

現在のお店の経営状態が安定しているかは、お店に実際に通い続けている固定客の人数を把握する必要があります。ここで書いている固定客とリピーターは少し違う概念ですので気をつけてください。

リピーターとは2回以上来店をされているお客様を指すことが多いですが、実際に現在来店している状態なのかを表す指標ではないのでリピーターの数自体はお店の経営状態が安定しているのかを測る指標にはなりません。必要なのは、リピーターでかつ、現在もお店に来店している状態であるお客様です。固定客とは現在も来店をし続けているリピーターと言い換えることができます。

固定客が増え続けているということは、お店に将来も通い続けるであろうお客様が増えているということに他なりません。つまり、徐々に未来の予約も埋まっているとも言えます。固定客のお客様の数が増え続けることを最優先に、集客戦略を考えることができるといつになったら広告宣伝費を削減、0にすることができるのか、長期的にみて効果的な広告手段は何かなど美容室経営に直接的に効いてくる経営判断が可能になります。

お客様の次回来店を予測し、当月の売上予測を月初に立てる

表示される次回の予想来店日から、当月にどのお客様が来店するであるかの予測を立てることができます。これまでの平均支払額を用いて当月段階でどれくらいの予約売上が見込めるかの予想を立てることができます。月初の段階で売り上げの見込みが立てば、目標売り上げと乖離している分をどのように埋めていくかの戦略を立てることができます。大規模に足りないのであれば広告費の増加を、少し足りない程度であれば毎日N件の物販販売目標など、アクションに繋げやすい形での戦略を月初の段階で立てることができます

次回来店日が見えているので、当月に来店するであろうお客様たちにはご連絡を差し上げることができます。ここでの達成率を高くしつつ、次のアクションに繋げることで月末の結果に一喜一憂する必要がなくなります。

お店の強みと弱みの認識

電子カルテに入力したデータから、お店の強みと弱みが見えてきます。どのような年齢・性別のお客様が来店しているのか、どのようなメニューが売れてる/売れていないのか、などを固定客、新規客、固定客失客などのセグメント別で表示することができます。
自分たちの美容室の強みはこれだ、と思っていたことと実際のデータで表示されることに乖離はないでしょうか?なければ取りこぼしていたところはどこか、より伸ばすにはどこが弱いのかなどを分析するきっかけとなります。もし乖離していたのであれば、逆にどこが強みとして評価されているのか、弱みとして出ている箇所はどこかなどを丁寧に振り返ってみることで経営を強化していくことが可能になります。

他にも分析できる観点は豊富にありますが、経営分析という観点からの分析は必須になるはずです。個々のお客様・スタッフの分析と大局的にお店の状況を同時にみることでマクロにもミクロにも対策を打つことが可能になります。

お店の分析

まとめ

様々な分析観点をみてきましたが、これらすべてが電子カルテにデータを入力することだけで可能になるのです。複雑なデータ出力や追加の集計をエクセルやスプレッドシートを活用することなく、カルテデータを元に自動で実行してくれます。分析の目的はデータから意思決定の補助をすることでありますが、分析の準備工程が大変すぎて実際の分析作業に時間を割けなくなっては元も子もありません。

電子カルテはカルテ情報を蓄積するだけではなく、より効果的にデータを活用していくためのものです。これまで数回に渡って導入のための準備やデータ活用などについて触れてきましたが、この記事をきっかけにみなさまの美容室で本格的なデータ活用を始める際の参考になれば幸いです!

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