電子カルテを採用してみた~準備編~

現場で発生している無駄を徹底的に排除し、効率的にサロンワークを行うにもITシステムの活用は必須の時代になってきました。以前書いた、ITシステムを導入する際に注意すべきことの記事はこちら(【IT担当必見】美容室でITシステムを導入する際に注意すべきこと )。

無駄を排除するという守りの面でもITシステムは必須ですが、美容室を成長させるための攻めの面でも多いに活用できるはずです。

とある美容室を想定して、電子カルテを導入したらどのような変化が起き得るのかを数回に渡って書いていきたいと思います。まずは準備編として、電子カルテを導入した場合に享受できるメリットと、紙のカルテでのデメリットを比較してみていきたいと思います。

注:参考のために弊社で開発している美容室向け総合管理ツール「KaruteKun」を利用する想定での現場の変化を考えていきます。他社製品では対応していない箇所等もあるかもしれませんがご了承ください。

電子カルテを導入した美容室

電子カルテを導入することのメリット

まずは電子カルテを導入するにあたって、期待できることを考えてみましょう。

①効果的な顧客管理

お客様の情報を効率的に管理することが可能になります。例えば紙のカルテと比較した時との大きな違いを考えてみると...
・検索性の高さ
名前や最終来店、直前の担当者などでお客様をすぐに見つけ出せる。1枚の紙のカルテを共有する必要がなく、各自のスマートフォンからすぐさま全お客様情報を検索できる。

・管理コスト削減
紙のカルテとは異なりファイルなどで保管する必要がないのでかさ張らず、場所を取らない。紛失や汚れてしまうことがなく、データも自動でバックアップされて安全に保管されている



・情報記入の手間が削減

手書きに比べて慣れ親しんだスマホ端末からの入力なので早く正確に記入できる。手書き入力と異なり、誰が書いた文字でも綺麗に表示されるので読めないということがない。よく書く使い回しや薬剤情報は定型文として登録し、1タップで記入できる



・画像情報を登録できる

お客様のBefore/Afterを画像データとして登録できる。参考にしてほしいと提示されたモデル写真などもカルテに保存することで、お客様の好みが把握しやすくカウンセリングにも活用できる。



・アクセス制限や連携設定などで顧客情報をお店の資産として適切に蓄積できる

顧客情報の持ち出しを防ぐために管理者以外は住所などお客様の個人情報にアクセスできない。退職した時などは連携を解除することで、お店のカルテ情報などにアクセスできなくなる。

いくつかの例を挙げてみましたが、紙のカルテの問題点が電子カルテでは効果的に解消されています。お客様の情報を管理する、という観点だけでみても削減できる毎日の作業量は膨大にあります。何かしらのルールで紙のカルテを探し、それをカウンセリングで利用するときには他のスタイリストと順番に使い、そして閉店後にファイルに戻す行為は正確に計測してみると5分以上はかかっているのではないでしょうか?戻すのをサボっているスタッフがいる、ルールに則ってファイリングされていなかったなど、いつも以上に時間がかかってしまう場合も頻繁に発生します。

慣れてしまっているだけで気づきにくいのですが、紙のカルテは管理のためのコストが非常に高いのです。その無駄を削減することができるだけで、目の前のお客様に集中する時間が増えたり、お昼ご飯を食べる時間や練習する時間が捻出できるはずです。

無駄な作業から解放される

②データ化することによって得られる顧客分析

これは紙のカルテでは実現し得なかった(できなくはないですが、非常にめんどくさいので現実的ではない)分析がカルテを電子化すると実行可能になります。一般的には電子カルテよりもPOSとして提供されている場合が大半ですが、カルテ情報を電子化するだけで利用可能になります。
・お店の経営分析
現在お店には固定客のお客様が何人いるのかなどの現在の経営状態の分析。固定客のお客様の伸び方から何ヶ月後にはお店の経営が安定するのかなどの、将来の経営状態の予想。
失客数の推移などからお店の経営状態が悪くなり始めたときにも気づくことができる。

・お客様別の詳細な分析
どのようなきっかけでお店に来店した方が固定客となっているのか、ならなかったのか。個別のお客様が次回来店するであろう日程の予測を表示。どのようなメニューがお客様に人気なのか、どのような属性のお客様が固定客になっているのかなど、美容室の強みと弱みの表示。

他にも豊富な分析項目がありますが、これは紙のカルテで顧客管理をしているときには実現し得ない非常に強力な経営サポートの手段になります。紙のカルテで管理している場合に同様の分析項目を集計しようとすると、
・会計の度にメモやPCに記録する
・閉店後に1日のカルテ情報を見返してExcelなどに手動で入力していく
などのカルテ作成に加えてもう一手間作業を行う必要があります。このもうひと手間に時間が膨大にかかってしまう(1回のメモは大したように感じられなくても、塵も積もれば山となるの通り膨大な作業をしていることが大半です)のと、手動で入力するためミスが発生しやすいという問題点もあります。

経営分析・お客様分析をしたいという気持ちは非常に重要ですが、同時に分析の前に力を使い果たしてはいけません。分析にこそ体力が必要ですので、準備段階は全てシステムに準備してもらえるに越したことはないはずです。

データ分析

どのようなシステムを選ぶべきか

無駄を減らす・効率化という観点では繰り返し発生することの極限まで省エネ化人間の作業を介入させないようにすることが肝になります。顧客管理の効率化では、繰り返し作業を電子カルテを活用することで省エネ化していますし、分析機能の活用では人間の集計作業を介入させないことで集計ミスを回避しています。

既に書いたような電子カルテの利点を活用できるシステムは、電子カルテとしてではなくPOSとしても数多く販売されているでしょう。どのシステムを利用するかはそれぞれのお店の予算や将来像次第ではありますが、以下は必ず満たしているのかを確認してください。

①サロンワークで使うことがストレスにならないシステムかどうか
お客様が来店している中では1秒足りとも無駄にはできないはずです。その戦場のような日々を少しでも効率化するために導入したシステムの操作でストレスを抱えてしまっては意味がありません。システムの使いやすさ、起動時間やローディング時間の短さ、安定性などを現場のスタッフの意見を最重要にして考えてみてください。現場で使う際にストレスがかかってしまうのでは、いつか使われなくなる日がくるのは目に見えています。システムを使うことが紙のカルテよりもはるかに楽であると実感できるものを選んでください。

②サポート体制がどうなっているのか
紙のカルテとは異なり、システム化した場合には定期的なメンテナンスが発生し得ます。また、ITサービスの宿命でもありますが、100%バグ・システム障害が発生し得ないということはありません。そんな時に備えて、どのようなサポート体制になっているのか、担当者はどの程度システムを理解して対応できるのかなどを事前に確認することが大事です。大手のメーカーの製品であっても開発自体は外部の会社に委託されていることはよくあります。自社のお客様情報という資産を守るためにも、どのような体制でサービス提供されているかは確認すべき項目です。

システムの選び方

まとめ

いかがでしたでしょうか。電子カルテはカルテ管理だけを効率化するものではなく、より広い視点でお店の効率化・成長に寄与するシステムです。今回は準備編として丁寧に電子カルテと紙のカルテを比較してみましたが、次回は実際のサロンワークに導入する際に発生する課題や準備について書いていきたいと思います。

コメント