電子カルテを採用してみた~現場導入編~

前回の記事(電子カルテを採用してみた~準備編~) では電子カルテが紙のカルテとどう違うのかや、なぜ紙カルテ以上の付加価値をもたらすかについてご紹介しました。 今回は電子カルテを美容室の現場に導入する際に準備しておくべきことや、考えておくべきことについて書いていきます。

電子カルテを導入する際の検討

サロンワークに導入する前に

紙のカルテと比較した電子カルテのメリットを美容室で誰よりも理解されている状態ですと、サロンワークへの導入を一刻も早く実施したいと思われるかもしれません。しかし、その前に事前の準備と注意事項を確認しておくことでグッと現場での混乱を減らすことができます。早速みていきましょう。

過去データの移行

これまでのお客様データをどのように蓄積していたかによって、難易度が大きく変わる課題です。

1:紙のカルテで集めていた場合
地道に新たに利用する電子カルテに登録していく必要があります。外部のデータ入力会社に依頼することも不可能ではないですが、手書きの文字を入力依頼するのは結構な金額になることが大半です(入力フォーマットも限定されたりと使い勝手はよくないです)。

まずは紙のカルテがおおよそ何枚あるのかを把握しましょう。それぞれのカルテを電子カルテに入力するのにどれくらいの時間がかかるのかを計測し、毎日スタッフ1人あたりXX枚入力することで、電子カルテに完全移行できるのがYY日後のような具体的な目標として立てておくことで一時的な負荷を乗り越えるのが良いと思います。

2:POSや電子カルテなど、システムによって集めていた場合
この場合は前回に書いた電子カルテのメリットが現在のシステムでは享受できていないので、システムの移行を考えているようなケースになると思います。
この場合は現在使っているシステム次第で、データ移行の難易度が大きく変わります。

データ出力が何かしらの形でできる場合
どのような形式で、どんなデータが出力できるのかを確認します。目当てのお客様情報や、施術情報が出力できるのであれば移行先のシステムで対応できるか確認して見てください。データ形式の変換はできるはずなので、どこまでを移行先のシステムが対応してくれるか次第です。

データ出力ができない場合
システム会社にまずは相談してなんとかデータを出力できないかを確認します。それでもデータが取れない場合は紙のカルテの時と同じく手動で入力していきます。

上で見たように、データ移行が少ない労力で済むことはそれまで使っていたカルテ・システムと、これから使うシステムの相性次第な点が大きいです。作業量を計算してみると、結構多い、、、面倒だからまたいつか、、、と将来に先延ばしされることも多いでしょうが、先に伸ばしても問題は解決せずむしろ紙のカルテは増えていく一方ですので将来の問題がより大きくなっていくだけです。

また、少し乱暴かもしれませんが今後真剣にデータ活用をするという前提で考えると、これまでの活用できていなかったデータを捨てて新たにデータを蓄積していくというのも一つの手段です。極力データを引き継いでいくことを諦めず、しかし長い目で見たときの将来を考えて最適なお客様データの管理を行えるようにしましょう。

データ移行は慎重に

スタッフへの周知

現場で電子カルテを利用するのは自分だけではありません。スタッフの全員が電子カルテをなぜ導入するのか、導入した先に何がどう変わるのかを理解することが効果的にサロンワークで電子カルテを活用するためには必要です。スタッフへの周知では以下のポイントをチェックしてみてください

1:一気に導入ではなく徐々に広めること
一度に全員に教えようとするのではなく、一人ずつ電子カルテを活用できるように教えていくべきです。1人あたりせいぜい2日あれば慣れてしまいますし、慣れてしまえばそのスタッフも教える側のメンバーとして活躍できます。ですので、決して焦らずに一人一人が電子カルテに慣れ、自分の実現したいことがどのように操作したら可能なのかを理解できるまで手厚くサポートしてください

2:オペレーションをいきなり変えようとしないこと
操作に慣れたとしても、忙しいサロンワークの中でいきなり切り替えるのは現実的ではありません。サロンワークでの導入前に想定していなかったトラブルが発生することはよくあることです。そのような場合でも、日々のサロンワーク・お客様への施術を止めないよう、移行期間を設けることがおすすめです

「移行期間中は電子カルテと紙のカルテをサロンワーク中で使ってもよい、ただし電子カルテを優先すること。紙のカルテに記載をした場合は業務終了後にまとめて電子カルテに転記して行くこと。」このような移行期間を設けることで、不測の事態が発生した際もお客様に迷惑をかけることなく以前の業務に戻ることができます。落ち着いてからなぜそれが発生してしまったのか、どのように再発を防ぐことができるのかを考えていきましょう。

ここで1つだけ重要なのが移行期間中はまだ引き返せるという点です。根本的に新システムに問題があり、サロンワークで解決できそうにない、後々大きな手間になってしまうような状態であればまだ引き返すことができます。具体的にメリットを感じているからこそ移行をしようと動き出してはいるものの、想定外の問題が発覚した際にはまた0からメリット・デメリットを比較する必要があります。考えた上でやはりメリットが大きいとなったらそのまま推進していきましょう。

しかし、ここでデメリットの方が大きいとなった場合はためらわずに中止することがおすすめです。そのためにも、この現場での導入開始を電子カルテの無料利用期間中に行うことが重要です。本契約前にこの判断ができれば、最悪導入を見送ることになっても費用の発生がないので経営へのダメージも最小限にできます。

3:変わったらやり切らせること
移行期間も終了した後は、是が非でも昔のやり方を完全に捨て去る必要があります。移行期間でサロンワークが新システムへ移行完了できれば理想ですが、現実的にはそれでも尚昔のやり方のほうが馴染みが深いため古いやり方の方がいいとなるスタッフもいるかもしれません。しかし、移行期間終了後は古いやり方は完全に禁止することが現場での混乱を最小限にできる方法です。問題は移行期間中で全て解決する、それ以降は完全に新しいオペレーションに一本化することで、サロン内での業務が効率化できます。

スタッフとの事前の打ち合わせが大事

まとめ

実際に現場に導入する前に考えておきたいこと、チェックしておきたいことを中心に書いてみました。事前に確認することは多いですが、しかしどれも非常に大事なことです。特にスタッフへの周知の際には結果的にはスタッフの作業が減るものであること長期的にみたらお店の利益はスタッフに還元されるものという目標を擦り合わせておくことがとても大事です。トップダウンでオーナー・店長の意思決定で始まりますが、現場で活用されなければ何も意味がありません。

次回は実際のサロンワークで電子カルテを活用する際のポイントやコツについて書いていきたいと思います。

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