【美容室開業】開業時の専門家活用

美容室の開業時にはやるべきことが膨大にあります。出店地域を決めたり、スタッフの採用、店舗の内装から集客の方法など、時間がいくらあっても足りません。

全て自分でできるという場合もありますが、時間をお金で買うことができるという意味では外部の専門家を活用することは合理的な意思決定と言えます。

今回は開業時に活用したい(もちろん開業後でも十分に使える)お金とITの専門家について書いてみたいと思います。

専門家からの助言

税理士の仕事は帳簿管理なのか

美容室を会社として運営していくにあたってお金について考える必要がある点としては以下の項目などが挙げられます。

  1. 事業資金の調達(融資・出資)
  2. 税制面でお得になる制度の活用
  3. 日々の売上・費用の記帳
  4. 決算書の作成
  5. 事業計画のチェック

これらすべてを自分でやろうとするのは非常に大変な作業になると思います(後述しますが、しかし最低限何ができるのか・何をすべきかは知っておくべきです)。これらのお金についての専門家として、開業時から積極的に活用すべきなのが税理士の方々です。

少なからず散見される意見に「月々数万円を税理士の顧問料として支払うのは無駄、便利なオンラインサービスを使えば自分でもっと安くできる」というものがあります。
確かに現在は価格も安く、実用性も高いクラウド会計システムのMoneyForwardfreeeなどを活用することで、記帳作業・決算業務が非常に簡単にできるようになりました(別件ですが、会社設立や労務管理もとても簡単にできますので、開業準備中の方は一度目を通して見ることをお勧めいたします!)。

しかし、このような会計ソフトが提供しているサービスは上の項目での3と4に当たる箇所であり、他の項目をカバーできていません。税理士を活用するという観点では、むしろ3、4以外の箇所に付加価値を見出して活用していくのが正解です。

例えば開業時のサポートを考えてみましょう。美容室の開業資金は一般的には1000万円程度は必要とされていますが、まずは資金の調達をどのように行えばよいでしょうか?

税理士を活用する場合に、一番最初に1と5に関してのサポートを得ることができます。自分で考えている事業の計画と必要な資金の量に不足はないか、甘く見積もりすぎている箇所やプランBが抜けている箇所はないかなど、開業を始める前からチェックとして活用することが可能です。

さらに、実際にお金を借りるという際にもサポートを最大限活用できます。日本政策金融公庫から独立資金を借りる方も多いですが、その公庫の融資制度として中小企業経営力強化資金というものがあります。通常の公庫窓口で借り入れを行おうとすると借り入れ上限は1000万円までですが、こちらの制度を利用することで、借り入れ上限が2000万円と2倍にアップさせることができます。この制度の活用のためには認定経営革新等支援機関になっている税理士法人を活用することが必須になります(実際は税理士以外にも資金調達を専門に行なっている外部パートナーも多数存在します)。

公庫からの借り入れは市場ではありえない条件と言ってもよいくらいに優遇されています。使う必要がないという理由で必要資金ギリギリだけを借りるのではなく、借りれるだけ借りてそれを原資に事業を進めるのが良いでしょう(詳しくは財務レバレッジなどで調べてみることをお勧めいたします)。

また、誰かの出資で独立するという際にも株式会社であれば会社の仕組みについての理解を進めることも可能です。どのくらいの株式をオーナーが所有し、現場に立つ自分は所有できるのか。株式発行に関しては契約で縛らない限り不可逆であり、やり直すことができませんので泥沼のように揉めることが頻発します。このような揉め事の火種も解決に近づけることが可能です。

この他にも税制面での優遇施策や、補助金申告など税理士を活用できることは月額の顧問料は十二分に元がとれるのではないでしょうか。費用がかかるから、とすぐに敬遠するのではなく、何が対価として得られるのかを検討してみても良いと思います。

お金の専門家は税理士

専門家を活用してIT戦略を考える

次に例として挙げてみたいのはITの専門家です。ITの専門家という括りが若干怪しいのですが、「システム開発が自分ででき」「事業についても考えることができる人」というくらいの理解で大丈夫です。

以前ホームページを作るときに考えておくべきこと(美容室でホームページを作るときに考えておきたいこと)でも記載しましたが、同様に事業としてどのようにITを活用すべきかをできるだけ早い段階で一緒に考えることができる専門家がいると非常に力強いです。その理由は、ITのシステムは一度導入してしまうと変更しづらいという美容室業界特有の問題があるからです。

POSや予約管理、電子カルテなど様々なITサービスが美容室業界では提供されていますが、そのほとんどがデータ移行出来ないような作りになっています。それぞれの事業者がお客様の囲い込みを行いたいからと推測していますが、これは美容室のとれる戦略がその事業者に決められてしまうと言っても過言ではありません

その際に美容室は将来どのような手段がとれるのか、他のシステムを利用する場合に考慮すべき点は何か、専門家の観点からサポートに問題はないかなどを専門家にチェックしてもらうことはメリットが大きいです。

また、システム自体の問題点を専門家の観点から聞けることは非常に有用でしょう。販売している業者は自社の問題点を積極的に公開することはありません。質問をされてやっと答えるくらいでしょうが、実際は法的にNGなことであったり、データの管理が甘かったりすることは実際に複数の事例で確認しています。このような状況で自身の美容室が不必要にリスクを抱えないよう、専門家に第三者からの公平な意見としてコメントをもらうことは投資対効果としても高いのではないでしょうか。

システムの専門家も有効活用

専門家を活用する前にやるべきこと

今回はお金とITという観点で具体例を挙げてみましたが、他にも多くの専門家の活用方法があるでしょう。しかし、専門家を活用する際には必ず注意しないといけない点もあります。

1:丸投げしないで、必ず自分でも十分調査してから話を持っていくこと
専門家を活用するのだから丸投げ出来ないと意味がない、と考える方もいるかもしれませんがそれでは十二分に活用することができません。また、極端な話その専門家が十分に専門的な人かどうかすら判断がつかず、手抜きをされ続けることも考えられるでしょう。相手に何を期待するのか、それを超えてくる提案があるのかなどを判断するためにも、必ず自分で十分にその分野の調査をしてください

2:短期的な関係を結ぶのでなく、長期的に付き合うことを意識すること
どの分野でもそうですが、短期的な関係は自分がやるよりも割安かどうか、というアウトソーシングの面が強くでます。それはそれで活用すべきことではありますが、本当に心強い専門家というのは長期的な視点に立っての提案ができる人のことを指すものです。そして、そのような専門家はどこでも引く手数多になっている場合がほとんどです。相手の専門性に敬意を示しつつ、長期的なパートナーシップを組めるように関係づくりを意識してみてください。

3:活用するなら早ければ早い方がいい
トラブルが起きてから専門家に依頼する場合もありますが、時すでに遅しという状態になってしまっているとどうしようもない事もあります。例えば法律の問題や、利用しているシステムの問題など、手が出せない状態になってしまっていると相談しても何も手助けをすることができないというケースも十分に考えられます(実際はそのケースの方が多い印象があります....)。病気も同じですが、発病してからでは遅いのです。病気になる前に予防する方がはるかに楽でコストもかかりません。うまくいっているようでも、万が一何かがあるかもしれないという観点で相談をしてみることをお勧めいたします。

いかがでしたでしょうか。費用がかかるということで敬遠されがちな外部の専門家ですが、しっかり活用できれば非常に心強いパートナーになります。それぞれの役割を分担することで一人でできること以上のことが実現できるはずです。皆様の美容室経営がより強力な事業として推進できるきっかけになる記事であれば幸いです!

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